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すると、またにわかに扉の方からざわめきが起こり、さっきまで豊柴名人に取材をしていたマスコミ達が一気に入口の方へ駆けて行った。
そこに現れたは、我らがリーダー・安国寺遥。
サイエンスの全国2位がイケメンなら、リテラーチャーの全国1位は袴姿麗しい大和撫子である。良かった着がえてきていて。
「みあはんは、お友達がここらに住んではるいうて、出かけましたえ。レセプションには出ない言うてました」
遥は光々とたかれるフラッシュの前で仲間達に業務連絡を行い、そのまま会場奥の檀上へと上って行く。
同時に会場内にも、各地区代表リーダーあるいは代理メンバーはステージに上がるよう放送が入った。いよいよ今年の初戦カードを決める抽選会が行われるのだ。
「俺もリーダーの変わりでね,行ってくる」
遥の他には、でいごや豊柴名人などもステージに上がって行った。
プログラムは、まず全国しりとりファイト協会会長である三田村正衛門氏の挨拶からはじまり、続いて協賛企業の紹介,さらに大阪市長からのメッセージを副市長が代読し、いい加減皆が明後日の方向を向き始めた頃に、ようやく抽選となる。
「良いところに当たりますように!」
方法は至って原始的で、各地区代表者は自分のチーム名が書かれている木札を確認し、それをマジシャンが使うようなブラックボックスへ入れて行く。それを本日のゲストである副市長が1本ずつ引いて行き、順々にカードが決まるという仕組みだ。
さあ、まずは予戦1日目・第1試合-
「四国代表 対 …東京都代表」
「オオ!」
のっけから一気に会場が沸いた。
四国の主将が明らかに苦い顔をしたのが、誰の目からも見てとれる。
「いきなり昨年優勝チーム登場か」
「常勝軍団・東京!確かに初戦は御免被りたい相手や」
ステージ上の遥は、ちらっと眼だけを動かして木札を見ている。
さらに同じ1日目の対戦カード
「第3試合 東海地区代表 対 九州南部代表」
「第4試合 甲信越地区代表 対 沖縄県代表」
豊柴名人が扇子を仰いで歓迎し、でいごは笑顔のままうなずく。
近畿Bの名前はまだ出てこない。
「あと残ってるのは…」
大会2日目に入っても、なかなか出る気配はなかった。
しかし2試合目のカードが決まったあたりで、早くも周囲はざわつき始める。
そして、いよいよ運命のカードが出た瞬間、大阪副市長は完全にいち私人にかえったように軽くのけぞった!
「2日目最終試合
近畿B代表 対 近畿A代表!」
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