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「帰りのコンビニで」
いつも持ち歩いているの? と聞いたわけでもないのに種明かしをされて、落ち着かない気持ちで横を向いてしまった。
(べつに、嫉妬したわけじゃないし)
用意してくれていたならそれはそれで。
そう自分に言い聞かせているが、顔が赤くなっている自覚はある。あらかじめそうなる可能性も考えられていた、というのが、こんな状況なのに動揺を誘う。
「ガッツいていて、すみません」
「いえ……」
こんなタイミングで、何を謝られ、何を受け入れているのか。
顔の上に腕を置いて隠していたら、くすり、という笑い声が耳に届いた。
すぐに、足の間に指とは異なるものを押し当てられる。
「足、自分で持てます?」
そんなことを言いながら、片方の腕を動かされ、膝裏に当てられてしまった。よくわからないまま、指に力をこめて太腿を抱えていると、目があった時任に微笑まれてしまう。
「表情が見えますし。あ、だめですよ、手はそのまま。こうすると、少しだけ楽になりますから」
言葉は優しいくせに。
ミチッと内側が軋んで音を立てるのではないかというほど熱くて硬いものがねじ込まれる。
「あ……ッ」
「息を止めないで、肩で大きく……、痛いですか」
問われて、涙のにじんだ目で頷く。その間にも、肉杭は水音を立てながら慣らすように入口で抜き差しされていた。
「じゃあ……ちょっと我慢してくださいね」
言うなり唇を重ねられた。その柔らかさにホッとする間もなく、凄まじまい質量が内側をこじ開けるように進んで、奥へと届く。
悲鳴を上げるどころではなく、かは、と息が漏れた。
「きつい……。慣れるまでこうしていましょう」
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