【SS】一週間後のふたり

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【SS】一週間後のふたり

 一緒にお風呂に入りたいです。  今度の金曜日うちに来ませんかとメッセージがきて、「わかりました。何か必要なものはありますか?」と反射で聞いてしまったら「特にないですけど」に続いた文言がこれ。 (お風呂……)  時任の家は確かに単身者用マンションとはいえトイレと風呂は分かれていたし、湯船も綺麗だったし気持ちよく入れそうな風呂だったが。  一緒に? 何故? 二人で入ったら狭くない?   疑問符だらけの中思い出したのは、最初の夜にシャワーを浴びるために浴室に引き摺り込まれたこと。あれはあれでものすごく恥ずかしかった。酔って少し朦朧としていて、なおかつ勢いがあったから出来たが、それでも灯りはつけないでとお願いしたのだ。今でもそこから一連の出来事が少し現実感がなかったとすら思っているくらいなのに。 (時任さん、「可愛い」ばっかり言うし。ちょっと辛いとかなんか怖いって言っても「大丈夫、心配しないで。だけどごめんなさい、そんな可愛い顔で言われると」って)  言われるとどうなるかは、身をもってわからされてしまった。足を開かれたり、胸を強く握りしめられたり、口の中を涙が出るほどさんざん嬲られたり。  それが。  嫌だったわけではないことに、自分でも気付いていて、思い出すたびに胸が痛いほどに鳴り始める。  またあんな風に全身を奪われてしまうことに、怖さと同時に疼くような渇きも覚えていて。早く。あの手と唇に。 (お風呂……)  しかしその前に、問題はお風呂なのだった。  前回は明るいところでは彼の裸を見ることも出来なかったのだ。それなのに。
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