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【本編2-11】加虐願望と被虐趣味
(昴は弟なのに……っ)
見た目は似ていない。ずっと一緒に育ってきて、当たり前にそばにいたけれど、彼はどこにいても視線が集中する美形であることは了解している。
子どもの頃「天使のような」と言われていた愛らしさを、青年となった今は清らかな美貌に留めていて、物腰は柔らかい。その邪気のなさに多くの女性が心を奪われるのもわかる。
とはいえ、凛は身内なのである。
何かあろうはずもないのに。
「んっ……はっ、時任さん、激しい……っ」
必死に声を噛み殺しながら、優しくして欲しいと強請っても、時任は両手で凛の両手をラグマットに押し付け、指を絡ませながら腰を打ち付け続けてくる。
「~~~~ん、んんっ」
頭の中が真っ白になる、と凛が息を止めたところで、時任もまた奥深くを激しく突いて、一度動きを止めた。
「……はあ……」
深く艶めいた溜息を吐きだし、時任は埋めていたものを引き抜く。
はあ、はあ、と凛も乱れた呼吸を整えながら目を瞑った。
快感を与え続けられた腰が重怠く、全身の力が抜けていて、すぐには動けそうにない。
ぼんやりとそう考えていたところで、時任の手が内腿に触れた。
「ん……?」
うっすら目を開けて確認しようとした瞬間、再びずくっと内奥を貫かれる。
「……っ」
悲鳴が、声になる間もなく、片足を持ち上げられてぐいぐいと最奥を擦り立てられた。
遅れて、ああああっと喉の奥から叫びが迸る。
「双子の弟ってことは、凛さんと遺伝子的には、肌とか血とか同じなんですよね……。それですごいイケメンだなんて、考えてみたら、そそられますね……ッ」
「……!?」
なんの話? と問い返すことすらできず、なすすべもないままがくがくと揺すぶられて、凛は堪らずに高い嬌声を上げた。
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