【本編2-11】加虐願望と被虐趣味

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「ひどいこと言って、悪趣味ですよ、あ、ああっ、話すときは」  何かに耐えるように眉を寄せていた時任は、じわりと額に汗を滲ませていたが、吐息を零してからにこりと艶やかに微笑んだ。 「凛さん。なんでこんな話をするかというと、『弟』の話をするたびに、凛さんの中が細かくイッてるからですよ。どうしてですか? ドМだから想像しちゃうんですか? 最愛の弟が、俺に怒りを覚えて悔しがっているのを想像して。だけど俺もいま怒ってますよ。俺とセックスしているのに、凛さん何回『昴』って、他の男の名前呼んだか覚えています? 俺は数えていますよ。今日、明日、明後日と時間はあります。『昴』って言った数だけ、凛さんを責め抜きますよ」  ぐい、ずり、と肉棒を押し込まれて、身体全体を揺すぶられながら奥まで何度も貫かれる。  時任は片手でネクタイを緩めてするりと抜くと、凛の両手首をまとめて胸の前に持ってきた。 「凛さん、縛りますね」 「なんで」 (抵抗なんかしないのに)  あまりノーマルから外れる行為は加えて欲しくなくて、涙目で睨んでも涼し気に微笑み返されるだけ。 「いちいちあそこがキュッてなってるの、自分でもわかってますよね? 縛るって言った途端に反応して、俺のこれを締めあげて、濡らしながら喜んでるくせに」  存在を主張するに、深く差し込みながら、両手を縛り上げる。そのまま顔を寄せてきたと思うと、胸のまろやかな膨らみを甘噛みして歯形をつけ、唇できつく吸い上げられた。 「痛ぁい……っ」 「弟さんかわいそう。首のそれ絶対キスマークですよ。凛さんを困らせようとして、でも遠慮してそんなところにしかつけられなかったんですね。俺は、こんなところにも、つけられるのに」
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