【本編3-2】従順さは背徳感となって

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【本編3-2】従順さは背徳感となって

 まだ夜の二十二時という時間に、凛が「すごく眠くて……」と申し訳なさそうに言い出した。  夕方、「昴の用件なんだったの?」と凛に問い詰められたのを「凛さんの彼氏に興味があるって、挨拶でした」と嘘ではない程度に切り上げて、食事をしたり、肩を寄せ合ってのんびりしたり。「会社の方は総務で病欠の電話を受け取ったことにして有休にしました」などの事務報告と口裏合わせをし。  そのうちに、凛がうつらうつらとし始めて、恥ずかしそうに小声で言ったのだ。「たぶん、昼の無理がたたって……」と。 「無理、させましたねすみません。ちょっと、凛さんが可愛すぎて暴走したのはあります」  素直に謝った。 「いえ……大丈夫です」  凛は目を逸らしながら答える。頬がうっすら染まっていて、照れているのが伝わってくる。  マシュマロ素材のジップアップ半袖パーカーに、お揃いのホットパンツ。凛さんまさか毎日そんなに可愛い格好しているんですか? という姿でもじもじしている絵面など、どれだけ網膜に焼き付けても足りない。  剥き出しの白い足、真珠のような爪の生えそろった指の先まで、見ているだけで頭が沸騰しそうな光景であった。 「寝ましょうか」 「時任さん、まだ早くないですか?」 「いえ。明日もありますし、一緒に寝ます」  二人で順番にささっと歯磨きなどを済ませて、電気を消して凛のベッドに一緒に入る。 「シングルなので狭いですよね。時任さん大きいし」  暗闇の中で、凛の囁き声が耳に届く。
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