【本編3-2】従順さは背徳感となって

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「それ、どっちの意味? だめ? でも凛さん、ここ、こんなにして、このまま寝られるの?」  ぐい、ぐい、と中で指を折り曲げたり探るような動きをすると、「あ、あ、ああ、ああ」とそのたびに凛が声を上げながら痙攣する。その感極まった様子を見つつ、容赦なくもう一本指をねじ込んだ。 「時任さ……も……、や、つらい……」 「はい、辛そうに見えます。挿れちゃいましょう? もっといっぱい気持ちよくなってから寝ましょうね?」 「そん……気絶しちゃ……」  明かりがないせいで表情がはっきり見られないのが残念でならない。  とんでもなく可愛い顔をしているに違いない。  ベッドからするりと抜け出して、ローテーブルの下に置いていた避妊具の箱を手で探る。中身を取り出して封を切りながら、ふと昴の言葉を思い出した。  ――中出しさせてもらえないの、可哀そうだね。もしかして凛はあんまり本気じゃないのかな。  痛みにも似た強烈な快感が背筋を走り抜けて一点に凝固する。どくん、と。  孕ませたい。  直に繋がって、中にぶちまけて、奥の奥まで犯してしまいたい。 (何考えて……)  湧き出しかけた欲望を抑えて準備をし、凛の元に戻る。 「時任さん……、今日はもう……優しくしてね」  暗闇に響く凛の言葉を聞きながら、体を重ねて唇を奪った。  ゆっくりと舌を絡めているうちに、体の強張りがとけて、弛緩していく。その動きを感じながら、唇を離して告げた。 「もちろん。『汚れちゃう』なんて気にしないください、気絶しても綺麗にしてあげますから」  はうっと凛が息のむ。構わず、強引に足を割り開いて、一息に欲望をねじ込んだ。
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