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「あー!ちょっと梅、まだ制服よね?」
1階からママの慌てた声がする。何事かと思い、急いで降りて行くとママは私にママの小銭入れを渡してきた。
「…どうしたの?」
「明日の朝食用の食パン買い忘れてたから買ってきてくれる?まだ、もみじやさんやってるから今から行けば帰るわ」
「分かった」
私の家の朝食は私がうんと小さいころから朝食はパンだった。しかも、もみじやというパン屋さんの山型食パンと決まっている。この食パンのトーストと珈琲じゃないと朝が始まらないらしい、パパとママは。二人とも子供の頃はおばあちゃんの住む田舎に住んでいて、もみじやなんて当然家の近くになかったし、ご飯とお味噌汁の朝食だったと聞いている。しかし、もみじやのパンがないと落ち着かないのは私も一緒だ。別に明日の朝がご飯とお味噌汁でもいいのだけれど、もみじやの食パンではなくスーパーで売っている食パンが出てきたら違和感を感じると思う。だから気持ちが分かるので素直に頷き、私はまた外に出たのだった。
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