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「俺は前野の友達の…愛っていう子の彼氏です」
しんとその場の空気が固まった気がした。
「あ…そうだったの。仲良く話してるからてっきり勝手に思い込んじゃってごめんなさいね」
おばさんはそう早口で言うと私達のお会計をテキパキとこなす。変な空気を岬君は感じているのか感じていないのか、何かを思い出したかのように「あのさ」と私に話しかけてきた。
「愛ってさ、絵の展覧会のチケット渡したら来てくれると思う?」
「岬君が渡したら来てくれると思うけど」
胸の奥がじりじりと痛む。
「この展覧会に岬君の絵も夕子の絵も飾られるんでしょ?しかも最優秀作品賞に選ばれた大好きな彼氏と友達の絵が飾られるんだったら絶対行くに決まってるよ」
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