きっかけ

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 私はその男子達に違和感を感じていたが、その日は何事もなく終わった。だが、次の日明らかな変化があった。その日、私はいつもより少し遅い時間に学校に着いた。  すると、何だか周りの席が自分の席から少し離れていた。違和感を感じつつも、もうすぐ先生が来るので私は席へと着いた。朝の会が終わって先生が教室から出た直後だった。  昨日心なしかこちらを見てひそひそ話していた、男子グループの一人がこちらに向かって歩いて来た。何だかとても目が合った。その男子はとても冷たい目をしていた。  私の横を通りかかろうとした次の瞬間、男はわざとらしく体を反らして私を避けた。その顔は満面の笑みを浮かべていた。続けて、そのグループの何人かも同じように私の方へ歩いて来て、わざとらしく避けて行った。私から少し離れたところで集まると、かすかに笑い声が聞こえた。  私は怖くて振り返る事は出来なかった。そして、それがその日の授業の間の休み時間、昼休みと、何度も繰り返された。私は学校が終わるやいなや、逃げるように家へ帰った。
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