35人が本棚に入れています
本棚に追加
【 N市は、美味しい老舗が、あるわね。
はり糸のカステラ、藤田豆店の甘納豆。でしょう? 】
【 そうだな。よく知っているね。】
【 明日のミサ、楽しみにしているわ。神父様の
説教、心に沁みるもの。】
【 やっぱり、そう思う? 】
【 Mayも? 】
【 あぁ。毎回、涙が出るんだ。癒されているんだと、思う。】
Nホテルが、近くなった。
【 May、ここで、、。】
【 あぁ。そうしよう。明日、迎えに来るよ。瑠璃
ちゃんは、朝に弱いからね。】
【 そう。朝は苦手なの。Mayにはかなわないな。】
【 それじゃあ。又、明日ね。】
Mayは、私をじっと見つめた。【 May 】
両手を、握り締めあった。
【 それじゃあ。】
Mayは、走って行った。今にも、泣きそうな瞳で、私を見つめた。
そして、次の日、聖ヨゼフ教会に行って、ミサに
授かり、東京に戻った。
【 来月来る。あ、でも、エアコンのことも、あるから、又、連絡するわね。】
新幹線のホームで、Mayは、泣きそうな顔をした。
【 瑠璃ちゃん、毎日でも会いたい。】
【 そのうち、嫌でも会うようになるわ。】
新幹線は、ゆっくり走り出す。Mayは、歩いて
見送ってくれた。
Mayの目に、二粒、涙がこぼれた。
手を振る、Mayを見つめていた。
最初のコメントを投稿しよう!