味醂干し

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時間は、夜の8時前。 【 May、今ホテルに着いたの。明日迎えに来てね。】 【 分かったよ。嬉しいなぁ。】 次の日、Mayは、10時に、来てくれた。 【 よく眠れた? 】 【 眠れたわ。新幹線の指定席が、窓際だったの。 私、窓際じゃないと、怖くて座っていられないの。 よかったわ。】 Mayは、やっぱり、お兄ちゃんにしか、見えない。 可愛い顔なのに、背が高く、体は、がっちりしている。 【 May、抱っこして。】 Mayの首に、腕を巻きつけると、Mayは、軽々と、私を抱きあげた。 【 Mayの、匂い。Mayの匂い。赤ちゃんみたい。】 【 甘えん坊だな。でも、そこが好きだよ。】 Mayと、優しくキスをした。 Mayは、力いっぱい、私を抱きしめた。 【 さぁ。教会に行こう。】 【 えぇ。それから、聖ヨゼフ学園で、お寿司を 食べましょう。父が言ったの。神父様にも、ブラザーのお二人も、お腹いっぱい食べて頂きたい。って。】 【 お寿司? あの斜め前の、お寿司屋さん? 】 【 そう。駄目? 他に必要な物に、した方がいい? 】 【 お寿司が、いいって、神父様も皆も言うよ。】 【 あのお寿司屋さん、とっても、美味しいのよね。N市にいた時、一度だけ行ったことがあるから。】
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