味醂干し

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【 N市は、美味しい老舗が、あるわね。 はり糸のカステラ、藤田豆店の甘納豆。でしょう? 】 【 そうだな。よく知っているね。】 【 明日のミサ、楽しみにしているわ。神父様の 説教、心に沁みるもの。】 【 やっぱり、そう思う? 】 【 Mayも? 】 【 あぁ。毎回、涙が出るんだ。癒されているんだと、思う。】 Nホテルが、近くなった。 【 May、ここで、、。】 【 あぁ。そうしよう。明日、迎えに来るよ。瑠璃 ちゃんは、朝に弱いからね。】 【 そう。朝は苦手なの。Mayにはかなわないな。】 【 それじゃあ。又、明日ね。】 Mayは、私をじっと見つめた。【 May 】 両手を、握り締めあった。 【 それじゃあ。】 Mayは、走って行った。今にも、泣きそうな瞳で、私を見つめた。 そして、次の日、聖ヨゼフ教会に行って、ミサに 授かり、東京に戻った。 【 来月来る。あ、でも、エアコンのことも、あるから、又、連絡するわね。】 新幹線のホームで、Mayは、泣きそうな顔をした。 【 瑠璃ちゃん、毎日でも会いたい。】 【 そのうち、嫌でも会うようになるわ。】 新幹線は、ゆっくり走り出す。Mayは、歩いて 見送ってくれた。 Mayの目に、二粒、涙がこぼれた。 手を振る、Mayを見つめていた。
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