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俺は今、権藤さんの鋼鉄のような体に組み敷かれている。
「ぐ、ぐぇ……」
苦しい……俺の役はまた殺られる役なのか?
「権藤さん、とりあえず台本を……」
権藤さんの下では小学生並の小ささしかない俺。もぞもぞと体を動かして呼吸ができる隙間を探した。
「必要ない。読んだんだろう。その上で来たんじゃないのか? いまさら怖気づいたか」
顔を上げ、俺を見下ろしながら権藤さんが凄む。これはコワイ。かなりキョワイ。
怒らせてしまったかと思うと、体がプルプルと震え出した。でも、権藤さんは柔らかく頬を緩めた。
あれ? 怒ってないみたい? 良かっ……
「初めてか」
思考が終わる前に権藤さんが問いかけた。
「は、はいっ。きちんとしたのは……すいません」
台本読みのことだよな?
役名がつくのは初めてだから、正式な台本読み合わせはしたことがない。頼りないと思われたかも……恐る恐る顔を見上げると、権藤さんはいたく満足げに頷いている。
「大丈夫だ。一から全て任せろ。優しくしてやる」
「は、はい。お願いします……ひゃうっ」
脈絡もなく、突然権藤さんが俺のバスローブの紐を解き、ごつい手のひらを平らな胸に這わせた。驚きで変な声が漏れる。
「いい声だ。もっと聞きたい」
ほえっ? ちょ、ちょ、ちょ……! いったいなにが起こってるんだ?
権藤さんの手のひらは胸を回し撫で、腹に下り、そして太ももを辿った。
「ひゃっ……」
普段どころか通常、人に触らせることがない場所を、男の分厚い手のひらで撫で回され反応を凝視されている。
得体のしれない気持ち悪さに寒気がして、俺は身をよじらせた。
「感じているのか、かわいいな」
感っ……!? いやいやいやいや違いますから……必死に首を振っているのに、涙目になって震える姿が権藤さんの悦に入ったらしい。
「そんなに目を潤ませて。煽るのが上手いな」
権藤さんの手が俺のボクサーパンツにかかった。
「……!」
抵抗しようにも巨体にのしかかられ、両手首を鋼のような片手で固定されている。優しい言葉の裏で俺を服従下に置こうとしているのがわかり、言葉が喉の奥に詰まった。
───待って。これっていわゆる枕営……あーーーー! パンツぅーー!!
考えているあいだに、するり、と手際良くパンツが下ろされ、脚から一気に引き抜かれた。
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