1369人が本棚に入れています
本棚に追加
ネイピア王国。そこは、ロゼア大陸でもっとも権力を持つ大国である。特に現国王であるスペンサーはそのカリスマ性を存分に生かし、国を発展させてきた国にとっての英雄のような存在である。
そんなスペンサーは異国の王女だったディアドラを妻に迎え、三人の王子を設けた。
スペンサーのカリスマ性を色濃く受け継いだ第一王子兼王太子、パーシヴァル・ネイピア。
ディアドラの愛らしさを存分に受け継いだ第三王子、アルバート・ネイピア。
そして、二人の容姿の良いところのみを受け継いだような、とても美しい容姿を持つ第二王子、ルーシャン・ネイピア。
パーシヴァルとアルバートは民たちの前にもよく姿を現し、周りを魅了してきた。しかし、特に容姿が優れているとされるルーシャンは……引きこもりがちであり、滅多に民たちの前に姿を現さない。
その存在さえもが幻だとまで言われるようになっていた今――その第二王子ルーシャンが婚姻したというニュースが国中を駆け巡った。
――その実情が、紙切れ一枚ぽっちの婚姻だったなんて、誰も思わずに――……。
最初のコメントを投稿しよう!