52.「では、こうしましょう」

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 首を傾げながら、真剣な面持ちでそう問いかける。そうすれば、彼は噴き出した。それに何処となく腹を立てるものの、すぐに彼が真剣な面持ちでドロシーを見つめてくるものだから、何も言えない。 「――あぁ、好きだよ」  そして、彼のきれいな唇が紡いだその言葉に――ドロシーは顔が真っ赤になってしまう。 「俺は、ドロシー嬢のことが好きだよ。だから――離縁したくない」  真摯に告げられたその言葉に、ドロシーはどう反応すればいいかがわからない。だけど、たった一つだけ言えることがある。  だからこそ、ドロシーはゆっくりと息を吸って、吐く。それからルーシャンのことを見つめ、勢いよく立ち上がった。 「では、こうしましょう」  ――離縁したくなかったら、私のことを惚れさせてみてくださいな!  第一部・END
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