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 有力な情報がなにもないまま三週間が経過した頃、突如としてロミは見つかった。    ロミと縁もゆかりもなさそうな、東北の街だった。 足の悪い母親に代わって、僕はその地へ急いだ。    東北の春は遅い。    雪に覆われた白い町並みは、ロミの空の部屋と奇妙な類似があるような気がした。    それがなんだかわからないまま、僕は病院の受付で名を告げ、病室に向かう。    個室の病室には、男女一人ずつ警察の関係者がいた。
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