振り返ってみれば

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「いや、あれは超誇丸を持っていたのと 師匠との話し合いで覚悟を決めたからできたことなんだ」 すると巌雄は 「だからだよ。最初会った時、こいつヒョロヒョロして 根性ねぇなと思っていたのが、 次に会ったわずか数時間で目に力が入って、 しっかりして別人かと思ったんだよ。 だから、俺はお前の謝罪を受け入れた。 そして血闘道に入門した。」 そう言って巌雄はお茶をずずずと飲んだ。 そして 「でも、まさか鼻血で闘うとは思いもしなかったがな」 とガハハと笑った。 「笑い事じゃねぇよ。オレはあの時、決死の覚悟だったんだぞ」 「まぁまぁ、前の事はその位にしなさい。 それより今日は二月十五日じゃ」 師匠のその言葉にオレ達弟子三人は、 口を閉じ背筋を伸ばした。 師匠は続ける。 「我が血闘道場の側には 守り神様として天狼神様をお祀りしたお社がある。 そしてその左隣にしめ縄をした洞があるのは知っているな」 オレ達三人はうなずく。 「昨日は二月十四日バレンタインデーだった。 わしは血闘道当主としてお社と祠にお祈りをした。 すると今朝、お社の前にたくさんのラッピングされた チョコレートが出現しておった」
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