真面目にお仕事してただけなのに〜(TT)

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真面目にお仕事してただけなのに〜(TT)

「そのチョコレートを今度は洞の前へ お供えすると丁度次のバレンタインデー迄に 必要な量の超誇丸が昼には出来上がっておる」 「ちょ、ちょっと待ってください」 師匠の言葉を巌雄が遮った。 そして言葉を続ける。 「あのう俺、一か月前に入門したから、 超誇丸を食べて、それがチョコレートでできているのは 知っていましたが、そんな風に作られている? いや、出現するのは本当ですか」 「オレも初耳です。てっきり、祈念さんと師匠が 作っているのだとばかり思っていたのですが」 オレも師匠に疑問をぶつけた。 すると師匠もうなずいて 「お前たちが疑問に思うのも当然だな。 わしも最初疑問に思って バレンタインデーの夜にお社の前で 待っていたことがある。 しかし不思議と眠くなって見定めることが できなかったのだ」 そこで祈念みこが師匠の湯飲みにお茶を注ぐ。 師匠はそのお茶を一口飲んで、 「大体おかしいと思わんか。 バレンタインデー自体は西暦269年に キリスト教の事件に由来するものだ。 だが、我が血闘道は戦国時代半ばまぁ 織田信長より少し前位に開祖が始めたものだ」 そこで師匠が黙った。 すると巌雄が、 「そうですね。時間軸も歴史的関連も 何もありませんよね」 と言った。 「オレも不思議なんですが、 バレンタインデーに女性がチョコを贈るという 風習は日本で作られたもので確か1970年代に 売り上げが落ちる製菓関係者が盛り上げた イベントが始まりだとネットで読んだことがあります。 戦国時代にチョコは普及してませんよね」 すると巌雄がうなずいて 「オレも優人と同じ意見です」 と同意した。
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