真面目にお仕事してただけなのに〜(TT)

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すると師匠が口を開いた。 「二人の意見はもっともだ。 だが、実際に血闘道を開いた開祖以降、 二月十四日に代々の当主がお社と洞の前でお祈りをし、 翌日にチョコレートがお社に現れ、 翌日の昼にはそれらは超誇丸と なって洞の前に置かれているのだ。 それも、不思議と一年間に必要な量が 置かれているのだよ」 オレと巌雄は顔を見合わせて 困惑した表情で師匠の次の言葉を待った。 師匠は、 「更におかしいことがある。 開祖以降の古い文献を調べてみると、 日本は明治になるまで陰暦を使用しておった。 陰暦は月の満ち欠けを元に作られておる。 だが、キリスト教圏は太陽暦だ」 「すると、二月十四日もずれるということですか」 「うむ、優人の言うとおりだ。 それなのに、チョコレートは陰暦の二月十四日の翌日に現れていた。 しかし、明治時代に太陽暦を使用するようになると その暦に合わせた二月十四日の翌日にチョコレートが 現れるようになったのだ」 そして師匠はパンっと手を叩くと、 「ま、このことについてはおいおい話そう。 それよりも、いつもお参りしている お社と洞じゃが、今日は二月十五日。 時刻も夕方だ。 大量の超誇丸が洞にあるから 保存庫に入れる作業をするぞ」 やれやれといった感じで立ち上がろうとする師匠。
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