真面目にお仕事してただけなのに〜(TT)

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「ちょっと待ってください、師匠!」 オレが慌てて師匠に向って叫ぶ。 師匠はしかめっ面をして 「なんじゃ。もうすぐ日も暮れる。 今日という大事な日にお前たちを 立ち会わせてやろうと思ったからこそ この時間まで超誇丸の回収を待って おったのじゃぞ」 「いえ、超誇丸は口に入れるものですよね。 地べたに置かれて外気にさらされていた物を 俺達食べていたのですか」 師匠はカラカラと笑って 「優人は現代っ子じゃのう。 大丈夫じゃ。お社に祀られている天狼神様は お優しい方だ。 色分けされた笹の葉に超誇丸をくるんで 笹の色ごとに、蔓にくくりつけてある。 だから運ぶのはそう大変ではないし衛生的だ」 (・・・天狼神様がちまちました作業を するのかな?) オレはそんなことを考えて巌雄を見上げた。 巌雄はただ、首をすくめただけだった。 「ほれほれ、二人とも。早くせんかい 日が暮れるぞー」 後ろから師匠の声がして、 慌てて振り向くと、玄関に師匠と祈念みこが 既に外履きをはいて待っていた。 オレと巌雄もあわてて二人の後に ついていったのだった。
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