真面目にお仕事してただけなのに〜(TT)

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お社と洞は道場の裏側にある。 普段は道場の神棚を拝むので、 オレと巌雄は今日初めてこの場所に来た。 右に小さなお社があり、左にしめ縄をした洞があった。 洞は大人二人が入れそうな大きさだった。 そして、確かに蔓に鈴なりになった笹団子みたいな物が 洞を隠すように置いてあった。 「すげぇ」 巌雄がそれを見てつぶやいた。 「あの笹団子の中に超誇丸が入っているんだろうな」 オレがそう言うと巌雄が、ああと応えた。 「それでは犬飼君、大土佐寺君。 まずは超誇丸をくるんでいる笹の葉を、 色ごとに仕分けして洞の前に置いてくれませんか」 祈念みこがオレ達にそう言うと、 「こらこら、その前に天狼神様をお祀りしたお社と 開祖様を祀った洞にご挨拶がさきだ。 みこもそれを先に言わんかい」 師匠の言葉に頭を下げる祈念みこ。 かわいいなぁ いかんいかん、オレは彼女に振られたばかりだぞ。 そんなこんなで、師匠の後ろにオレ達三人が並んで お社と祠にお参りをした。 「さて、先程は失礼しました。 超誇丸をくるんだ笹の色は赤、青、白の 三色です。 洞の前に積まれている超誇丸を結んだ蔓を 洞の前に敷いた三枚のゴザに分けて置いて下さい。 洞を背にして、右が赤、真中が青、左が白です」 と祈念みこは言って、オレ達三人は作業に入った。
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