真面目にお仕事してただけなのに〜(TT)

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「みこ、わしはちょっと外出してくる。 この作業が終わったら、この巻物を二人に見せてやりなさい。 開祖が書いた物だ。戦国時代に書かれていて 珍しかろう。超誇丸を運んだ褒美だ」 師匠はそう言って祈念さんに巻物を一巻渡した。 「ただし、お社と洞の前では見てはいかん。 道場でみなさい」 そして頑張れよと手を振って行ってしまった。 巻物はビニール袋に入っていた。 「・・・なんか扱い雑だな」 巌雄がぽつりと言う。 「おじぃちゃんじゃない、師匠はいつも こんな感じなんですぅ。 まったくもう!」 祈念さん、感じなんですぅってなんかかわいい。 だが、嫌われたくないのでそんなことは おくびにもださない。 そして、後数本になった蔓を、各色ごとにまとめて 手に取った時、 「あ、巻物落っことしちゃった」 という祈念さんの声に振り向くと、 突然巻物が浮かび上がり、光出した。 そして巻物が開き、龍がうねるように俺達の周りをぐるぐる回った。 「いやぁ、なにこれぇ」 「みこちゃん、落ち着け。優人大丈夫かっ」 巌雄が声をかけるが、大丈夫も何もない。 巻物がどんどん俺達三人に狭まってきて 光ったまま、洞の方へと謎の力に引っ張られて いるからだ。 「うおおおおおお」 オレと巌雄が必死になって踏ん張ったが力尽きて、 洞のしめ縄が切れたのと同時に 俺達三人は洞に吸い込まれたのだった。
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