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俺達三人は顔を見合わせた。
「ええい、何者かと問うておる」
多分、侍だろう二人のうち、怪我の酷い人を支えている
もう一人がイライラと俺達に問う。
「申し訳ありません。私達は旅の者です。
道に迷ってここへたどり着きました。
今は私たちがどうとか言っている場合ではありません。
その怪我を負った方を早く小屋へ連れて行って下さい」
祈念さんが咄嗟にそう言って侍に向ってそう促す。
すると怪我を負った人がうめき声をあげたので、
彼に肩を貸していたもう一人の侍は急いで小屋へと
入って行った。
「犬飼君、大土佐寺君。なんか持ち合わせない?
あの怪我をした人を助けたいの」
祈念さんがきびきびと尋ねる。
「あ、俺。タオル持ってる」
巌雄がそう答え、
「オレも超誇丸の蔓を何本か持ってるよ。
後、ハンカチ」
オレがそう言うと
「ありがとう。超誇丸は、赤・青・白とあるわね。
白は、赤と青が攻撃系で技を繰り出すと代償に
貧血になるのを回復する力があるの。
微力だけれど、体力回復の力もあるから
あのお侍さんに役立つかもしれない。
後は綺麗な水があればいいんだけれど」
祈念さん、この状況下でよくそこまで考えつくなと
オレと巌雄は顔を見合わせた。
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