ひぇええタイムスリップしたら即戦闘?

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その時、洞の方から爆風が出てきた。 巌雄がとっさにオレと祈念さんを地面に押し付ける。 「なんだったんだ、あれ」 オレは誰ともなくつぶやく。 「あれは巨大狼の物の怪が吠えたのだ」 見上げると、さっき重症だったお侍さんを運んでいた方の人だ。 「物の怪?」 「えーい、うっとうしい。あの中には仲間が一人で 戦っているのだ。俺は助けに行く」 「待ってください。そんな体で行ったら 物の怪にやられるだけです。 せめてこの丸薬を食べてください」 祈念さんがお侍さんに超誇丸を一つ差し出した。 「そなたたち、薬師の一向か。 ・・・信じよう。後で代金は払う」 そう言って、お侍さんは超誇丸を食べた。 「む、甘い。こんな甘さは初めて食べた。 しかも美味ときている。 おお、なんか力が湧いてくる!」 そう言うと、お侍さんは洞の中へと入って行った。 「・・・お侍さん、鼻血出てたね」 オレがぼつりとつぶやく。 「くるんである笹の葉が白いのは そうね、HP回復の効果があるの。ただ、代償として 無駄に鼻血がでるのよね」 と祈念さん。 「いや、みこちゃんその情報今いらね。 とにかく俺たちも洞の中へ行くぞっ」 巌雄がそう言うと、 「待って、この超誇丸を結んだ蔓を持って行って。 赤青白、丁度三人分あるから 首輪にしてちぎって食べてね。 私も小屋の怪我人のお侍さんを見てきたら すぐ行くから」 そう祈念さんは言うと、掘っ立て小屋の方へ向かった。
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