ひぇええタイムスリップしたら即戦闘?

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洞の中はほのかに明るかった。 それは太陽の光が薄く入る位の距離。 そこにお侍さんが二人立っていた。 (よく考えたら元の世界って夕方だったけど ここは今昼間なんだな) 緊迫した状況への現実逃避かそんなことを考えてしまうオレ。 「おい、何ぼーっとしているんだ。やられちまうぞ」 巌雄の声にハッとするオレ。 そうなんだ。お侍さん二人が対峙している物の怪は、 巨大な黒い狼で、普通の人間であるオレにも黒い瘴気 (体に悪そうな空気)を纏わせていた。 お侍さん達は、甲冑を身にまとっているがぼろぼろ。 かろうじて後ろから判別すると、 右側がほら、足軽なんかが被っていた黒い陣笠を被り、 もう左側が髪を後ろでくくる今でいう短いポニーテール みたいな感じ。 二人は、黒狼が攻撃してくると足軽さんが 刀でその攻撃を受けて、 ポニーテールさんが、何か呪文を唱えて 黒い瘴気を祓っていた。 「巌雄、どうするよ。俺達のできることって」 「優人、俺達には血闘道があるじゃないか」 「うん、超誇丸は赤青白それぞれ蔓一本分に くくられた量しかない。 俺達は超誇丸を食べて大量の鼻血を出して それを武器に戦うからな」 「ああ、ただ問題は超誇丸をくるんだ笹の色の 赤と青、どちらを食べればいいのかということだ」 巌雄の言うことはもっともだった。
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