ひぇええタイムスリップしたら即戦闘?

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「みなさん、おまたせ!あのお侍さんは 命を取り留めましたぁ」 明るい祈念さんの声がした。 「みこちゃん、挨拶はいい。 俺達はどちらの超誇丸を食べればいいんだ」 巌雄が大声で言う。 「はい、大土佐寺君は赤い笹の超誇丸を。 犬飼君は青い笹の超誇丸を食べてくださいぃ」 「分かったぁ!優人、まずお前が青を食え。 お前の技は相手の瘴気を網の目のように覆って消滅させると共に 相手の行動を押さえるからな」 「了解」 オレは急いで青色の笹にくるまれた超誇丸を一粒食べた。 すると心臓がドクンと音を鳴らす。 そしてどこからか大量の血が押し寄せてくるのを感じる。 鼻に血が集まってくるのを耐えながら、 オレは侍達の前、巨大な黒狼の前に立った。 「うわ、なんだお前。ええい、下がれ下がれ」 右側の侍がオレに向って叫ぶ。 だが、オレはそれを無視して、 『大蜘蛛嵐巣拳!』 するとオレの鼻から鼻血が勢いよく出て、 渦を巻いて広がり、巨大黒狼に網をかけるように 張り付いた。 「よし、次は俺だ!『風連打撃拳』っ」 巌雄の鼻血が、奴の両腕の拳にまとわりつき、 巨大黒狼の手前で拳を連打すると、 そこにうっすらと赤い壁ができていくのが見える。 そして巨大な黒狼は動きを止めたのだった。
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