ひぇええタイムスリップしたら即戦闘?

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「お、お前たち何者だ。ただの薬師ではないな」 右側の陣笠を被ったお侍さんが詰問してくる。 だが、オレと巌雄は超誇丸を食べて技を使った代償で 軽い貧血を起こし、答えられない。 「ハイハイ、その質問は後にして下さいぃ。 犬飼君、大土佐寺君。はい、お水と 白い笹の超誇丸を食べてくださいぃ」 オレ達は祈念さんからそれらを受け取って食べた。 塩味が効いたチョコレートだった。 (そういや青い笹の超誇丸って何味だっけ) そんなくだらないことを考えるオレ。 だってなんか安心してしまったから。 祈念さんの顔を見て。 座り込んだオレと巌雄はお互い顔を見合わせて笑った。 「鼻血でないな」 巌雄がオレの顔を見てそう言った。 「二人とも、技を使ったから鼻血がでるほどの 血の量がないんですよ」 祈念さんがにこにこと答える。 「話し中悪いが、そなた達何者だ」 オレ達三人は顔を上げると、 そこにはポニーテール(短いけど)のお侍さんが 立っていた。 もう一人の陣笠を被ったお侍さんは、 壁に寄りかかって、刀を杖代わりに座り込んでいた。 良かったねー生きていて。 じゃなくて、オレと巌雄、祈念さんは顔を見合わせる。 すると祈念さんが 「私達は武道家の一行で修業のため全国行脚をしている者です。 面倒くさいので薬師として人には説明しますが。 お侍様は嘘をついても見分けそうな方なので正直に申し上げました」 と言った。
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