ヒーローなれないんかーい

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すると祈念さんが、 「犬飼君、大土佐寺君、それぞれ青と赤の超誇丸を食べて。 一粒でいいわ。 それと、殿様。この白い笹にくるまれた超誇丸を お召し上がりください。 そして天狼神様を和魂に戻す祝詞を御上げ下さい」 と言った所、惣吉が 「何を怪しげな薬師達が作った物を殿に食べよと申すか。 殿、なりませぬ」 「惣吉様、大丈夫です!」 その時、大けがをして掘っ立て小屋に運び込まれた お侍さん近寄ってきた。 「おお、藤又。無事であったか」 「はい、惣吉様。私はあの娘子がくれた薬で ここまで回復しました。 何も異常はありません。ですから殿、その薬をお召し上がり、 天狼神様を和魂にお戻し下さい!」 すると殿様は微笑んで、超誇丸を口に含んだ。 オレ達も急いで超誇丸を口にしてそれぞれの技を繰り出す。 「なんだ?この光景・・・」 巌雄がつぶやく。 そうなのだ。俺達の技が殿様の奏上する祝詞にのり、 光の帯となって天狼神様を包んだのだ。 そして天狼神様が光を放って・・・ 「ま、まぶしいっ」 オレはそう叫んで目をつむって後ろを向いた。 しばらくそうしていると、光の乱舞が収まったようだ。 ・・・オレはそろそろと目を開ける。 他のみんなも頭をふったり辺りを見渡したりしていた。
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