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「お前とあった時、お前が美絵子に怪我をさせて
叫んで逃げだしたからびっくりしたぜ」
オレが巌雄との出会いを思い出していたら
突然巌雄の声がしてオレは現実に引き戻された。
「あの時は悪かったよ。
土佐犬の美絵子ちゃんに怪我させるわ、
オレはまだお前が怖かったから
逃げることしか頭になかったんだよ」
オレは身長190㎝の巌雄を見上げながら
あの時の威圧感を思い出した。
ちなみにオレの身長は160㎝です。
神様、毎日牛乳飲んでるのに同い年でこの差は
不公平です。
「いや、あれは俺が悪い。一般人の優人を
檻の中に入れさせて事故が起きたんだからな。
あれから親父にこっぴどく叱られた」
「そうか。でも、美絵子ちゃんやさしいから
あれ以降、俺を許してくれて檻の外からだけど
体撫でさせてくれるもんな」
「バカ、そんな気の許し方を赤の他人にするのは
犬飼 優人、お前にだけだ」
「え?そうなんだ」
「そう、そうなんだぞ」
オレと巌雄はそんな話をしながら校門の中へと
入って行った。
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