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そうこうしているうちに祈念みこの家、そして血闘道場に
たどり着いた。
「じゃぁ、私着替えてくるね」
祈念みこは母屋の玄関を開けていってしまった。
俺達は道場の玄関を入り、控室でジャージに着替えて
道場内の掃除をした。
そして準備体操をし終えたころ、
「おお、きれいになったな」
ニコニコしながら入ってきたのは
血闘斎(本名ではない)こと祈念みこの祖父である。
そしてこの血闘道の道場主でありオレ達の師匠でもある。
『お世話になります』
オレと巌雄が声を揃えて挨拶をする。
「うんうん、今日も元気でいいことだ」
そうして道場の上座を背に道場の真中に座り、
オレ達は師匠と向かい合う形で正座した。
「それにしてもお前たち、だいぶ服を汚さなくなったな」
「いえ、これも師匠の指導の賜物です」
隣の巌雄がかしこまってそう答える。
オレもうなずく。
血闘道・・・
それはその名の通り、己の心身を鍛え極め
おのが血を自由自在に使い闘うという実践型格闘技だ。
最初この説明をされた時、草食男子でもやしっ子のオレは
どこから血をだすのか相当ビビった。
だって、どう考えても手の先とか安全ピンで
チョンとつついて血を出すだけでも嫌だった。
だってオレは注射が大嫌いだからだ。
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