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プロローグ
「ごめんなさい、お付き合いできません」
ぺこりと頭を下げる彼女。
ひゅるりらら〜。冷たい2月の風が俺のあざ笑いながら
冷たく通り過ぎていく。
あ、俺の名前は犬飼 優人。
都会と田舎の間位の地方で、高校生をしている。
そして今日は2月14日。
実は彼女とは知り合ってから大した日にちが立っていない。
だけど完全にオレの一目惚れで彼女いない歴=年齢で
草食男子にもやしっ子なのを振り払って告白して
見事に玉砕。
(やっぱりバレンタインデーじゃなくてホワイトデーに
告白すれば良かったかな)
ぐすりと鼻をすすりながらオレはそんな事を思う。
いや、そもそも今どき、ノートとペンを持って行って
(ちゃんと店員さんにラッピングしてもらった!)
交換日記からお願いしたのが敗因か。
ぐるぐる頭の中を回しながら歩く俺。
彼女の家は小さな山の上。
冷たい山風に押されながら道を下るオレ。
その山の中腹にオレが通う学校があり
その下、ふもとに町が広がっている。
オレの家もそこにある。
ぶるっっと寒さに身を震わせ、
夕焼けを眺める。
そしてポツンと
「いいなぁモテるやつは・・・」
と、オレは盛大なため息をつくのだった。
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