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球体――ラギss6――の正体は、遥か太古の昔に銀河系の端に向け送り出された無人探査機だった。
長いミッションを終え、約二億五千万年振りに地球に戻って来たという。
ラギは二人にも伝わる言語を解析、説明したが、そもそもの文明が違う。
言葉は通じるが、内容までは通じない。
ラギにしても、当時の宇宙開発エンジニアとしか接していないため、平易な言葉をアーカイブからサーチするのは一苦労だった。
ラギは二人に様々なことを伝えた。
二億五千年前、この惑星は地球と呼ばれていたこと。
七つの海と五つの大陸があったこと。
主竜類――恐竜――は絶滅していたこと。
人類は魔法を使えない代わりに科学を持っていたこと。
そして、恐らくはラギを打ち上げて数世紀以内に人類は滅んだであろうことを。
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