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06.ラギss6
「確かめよう」
二人は謎の物体の墜落現場に急行した。
舞い上がる煙は狼煙となり、衝撃波で生じた地割れが案内図となる。
落下物は、未だに震えながら、聞いたことのない鳴き声を発していた。
どんな動物でも、一定間隔で同じリズム・同じ高さで鳴き続けることはない。
ましてや、光の反射ではなく、目を赤く光らせるなどと。
今まで遭遇したことがない生き物であろうか。
二人が見守っていると、振動が収まると同時に、割れてしまった。
プシュー。
中から球体が現れ出ると鳴き声が止み、赤い目も閉じられた。
「Hello,Houston」
「な、何か言ってるぞ」
zizizi……。
「Hola.Bonsoir.Buona sera.Здравствуйте.你好。안녕하세요。こんにちは」
「わ! こんにちはって言った!」
zizizi……。
「言語を検出。ウラール・アルタイユ語族系統補正」
「ワタシハRagi-ss6。地球ニ帰還スルモ、誘導信号ナク不時着」
「所々知らない言葉が混ざってるんだけど、ヴェルンドは分かる?」
「私にもさっぱりよ」
「ワタシハRagi-ss6。文殊Ⅲ起動。座標軸及ビ年代ノ演算開始」
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