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ノヴォパンゲアは群雄割拠の戦国時代であった。
広大な海に広大な大陸。
つまり、国境は全て地続きなのだ。
有限なる領土を護り、広げるためには、他国を征服するしかない。
無限に広がる星空の世界など、理解の外である。
とはいえ、その日暮らしの領民達のほとんどは、まだ知らない。
大陸にどれだけの国があり、どれだけの人間がいるのかを。
辺境の地アメイジアの少年テルもその一人であった。
アメイジアは月の女神を信仰する狩猟牧畜民の遊牧地だ。
野生の巨大鹿を狩猟し、家畜の巨大鹿を飼育している。
月の女神は狩猟と夜と死を司る。
テルは隣接するローラシアとの戦争で幼い頃に両親と弟を失ったが、部族は全体で一つの家族だった。
生活に不自由さはなく、今では部族で一番の弓使いに成長した。
今日も4メートル級のエルクを仕留め、一人、谷奥の泉で祈りを捧げようとしていた。
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