よろしく☆せばすちゃん

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ごきげんよう♪ 皆さん「メルメルヘン王国」はご存じ? はい、その顔はご存じない。 次の世界史のテストで出るから! ちゃんと覚えてね★ 私はメルメルヘン王国のメルメル王女。 うふふ、ここまで聞いててさぞ豪華な暮らしを想像されたでしょうね。 残念! メルメルヘン王国はです(テヘ!) 正面から見ると豪華絢爛なお城も裏から見れば張りぼてだし、綺麗なドレスもパーティーや式典で着る用に1着だけ! それでも王国連合会の決まりで「執事」と「シェフ」は雇わなきゃいけない決まりだから1人ずつ雇っているものの、シェフはパーティー以外豪華な料理を作らないの。 お金が無いからね。 基本的には私の父(王様なのよ!)が川で魚釣ったり、私がその辺に生えてる雑草摘んだりしてる。 それをシェフに調理してもらうの。 そんな訳で昨日のディナーのメニューは 「リバーフィッシュのフリット~グリーンを添えて~」 って聞こえはいいけど、川魚と雑草ですから~。 そんな感じでひもじい毎日を送っていた私の元に一通の招待状が届いたの。 なんと!超セレブな「チカネモ王国」の舞踏会の招待状。 舞踏会とは名ばかりで、結婚適齢期を迎えたネモ王子様の結婚相手を探すためのパーティーだわ。 ネモ王子は高身長に文武両道、そしてイケメン! ただ、ちょっと下っ腹が出てきているらしいけど、そんな事気にしない。 これは、絶対逃せないチャンス! 誰にも負けないくらい舞踏会で王子と上手く踊ってみせるわ。 そのためには特訓よ! ヘイ☆せばすちゃん! 「いかがなさいましたか、王女様。」 かくかくしかじかでダンスが上手くなりたいの。 ダンスの先生を呼んでくださる? 「構いませんが、いい先生をお呼びすると授業料が高くつきます。」 はっ、そうか・・・。いくら位かかるのかしら? 「一番良い先生でしたら、ざっと見積もって1時間2万メル程です。」 えー!無理じゃん、私のお小遣い4ヶ月分じゃ~ん。 そんなにいい先生じゃ無くていいから。 「一番リーズナブルな先生でも1時間5千メルは必要でしょう。舞踏会のダンスをマスターするのであれば1時間では無理です。」 マジでか。 私が絶望しているとせばすちゃんは表情1つ変えずに言った。 「私でよろしければ、ご指導致しましょう。」 え?せばすちゃん出来るの?ダンス。 「基本的な事は執事学校で履修致しましたから。私でしたら無料です。」 きゃー!めっちゃ救世主~☆ たすかる☆せばすちゃん! 「本当によろしいのですか?私は少々厳しめに参りますが・・・。」 せばすちゃんが厳しいのはいつもでしょ! この前なんか私にイノシシ狩りさせたじゃない。 「今後の食料調達を学ぶためでございます。」 せばすちゃんの飴と鞭戦法で私にダンスをたたき込んでね。 「かしこまりました。容赦なくやらせていただきます。 後、私の名はアルフレッドでございます。」 ダメよ、執事の名前はせばすちゃんって相場が決まってるの。 たのむね☆せばすちゃん!
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