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『俺だ、頼み事があるんだけど---』
『よう! 猟! お前、あの美人の嫁さん捨てて、若い娘と逃走中なんだってな、所内で噂になってるぞ!』
……ダイジョブなのかウチの組織……情報駄々洩れじゃねえかよ……
『で? その逃走犯が組織側のこの俺に何の頼み事だ? 俺がお前の敵の可能性はどう評価したんだ?』
なんだよ、その安物スパイ映画みたいな設定は……
『防犯カメラの映像解析を頼みたいんだ』
『なに?
乗って来いよ!
もう、つれないんだからぁ~!』
『所長たちは俺が何処にいるか知ってるか?』
『知らん。興味も無い。正直、そのうち若い娘に飽きて戻ってくんだろ? くらいの共通認識だよ』
『そうか……まあ、そんなとこだな。
ところで、あんただったら、俺をどう捕まえる?』
『そうだな……
道端に籠と棒で作った罠を仕掛けて、そこに全裸の美女を置いておく!』
聞いた俺が……
『冗談だよ、俺なら、お前の美人奥様を人質に捕まえるかな。この国で監視網にかからない人間を探し出すことは不可能だ。なら、分かりやすい方を捕まえる』
セイラちゃん……
俺の唯一の家族……
俺の唯一の愛する人。
俺の唯一の弱点……
『俺を嗅ぎまわってる奴は?』
『いっぱいいて分からん!
……
でも、そうだな……
お前の望む答えなら、俺は持っている………………
来たよ、お前の言っていた通り……
お前の中国のお友達……
深圳特別軍区の……
あいつが……』
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