7 鈴木博

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俺はこれを恐れていた。 虚実入り混じる世界で仕事をしていると、どれが真実か自分で分からなくなることがある。だから、俺にはセイラちゃんが必要だった。実像の世界にのみ存在する彼女の存在が虚像世界に身をやつす俺には灯台の様に光り輝き、帰るべき世界を灯し続けてくれた。 だから、俺は、こいつの様に、ならずに済んでいたんだ。 俺にはセイラちゃんがいてくれた、こいつにはそういう存在がいなかったのだろう…… 俺とこいつの違いは極微小なものでしかない。
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