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店の奥のボックス席に男が座っていた。あたしの大好きな他人の旦那さん……
「どうだった?」
「主演女優のお出ましだ。バッチリ動画で取ったよ。間抜けな男の全裸、ご立派なものまで丸ウツリだよ。後はどうするか」
ラップトップを机の上に置いて微笑んでいる猟さんは、
「姫ちゃんの顔にはモザイク入れておいたよ。後は明日、お届けにでも行こうかね」
昼間仕掛けたネットワークカメラ、そのラブホテルの部屋に誘い入れ、あいつを文字通り裸にしようという作戦だ。
「猟さん……
抱いて……
また、あたし汚れちゃった。だから、お願い……
忘れるから、今夜の事は忘れるから、だから、抱いて……」
あたしはアパートに戻ってシャワーを直ぐに浴びた。でも、心はやはり落ち着かない。あの後悔の日々に受けた屈辱をあたしは忘れられなくて、忘れそうだったけど、さっきあいつに触られて……
また……
汚れてしまった様な気になって、シャワーでは落ちない汚れを大好きな猟さんに落として欲しかった。
猟さん……
あたしの大好きな、奥を大好きな猟さん。今夜だけはあたしを奥だと思っていいから、あたしの身体を使っていいから、それであたしは救われるの……
お願いだからあたしを救って……
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