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『あっっっっっつ!!』
汁がたっぷりの鍋にちくわが高い高さから落ちたことにより、汁が俺らの顔に飛び散り同時に声を上げる。
「は!!」
兄はまだ顔にかかった汁の熱さにやられている。この間に鍋に入ったちくわを!
「とりゃぁぁぁ!!」
私は鍋の中のちくわを素早く掴み、高らかにちくわを上にあげる!
「私の…ちくわ!」
「そうはさせねぇ!!!」
高く上げたちくわに俺は自分の体ごと突っ込む。
「ま、まさか…今私が上に上げているちくわをそのまんま食べる気…!?」
俺は口をめいいっぱい開けて勢いよくジャンプする。
(俺のちくわ…!)
前歯にちくわが当たる。
「ブニッ」
『え?』
俺の前歯に当たったちくわは、跳ね返された衝撃でそのまま地へと降り立った。
「えぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
「あんたのせいでちくわが落ちたじゃない!」
「俺のせいじゃない!お前がそんな高くちくわを上げてるからだ!」
「いいえ、あんたの前歯がデカすぎたのよ!歯医者行ってきなさい!」
「俺の前歯はそこまでデカくない!」
「だいたい、あんたが最初にちくわを私に譲ってくれなかったからこうなったのよ!」
「譲るわけがねぇじゃん!あれは俺のちくわだ!」
「いいえ、私のちくわよ!」
「俺のちくわ!」
「私のちくわ!」
まだこのとき、鍋のなかにちくわが2つ残っていることを2人とも知らない。
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