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「おい、夢。お前インスタ始めたのか?」
そう、私がひっそりとやっていたインスタの存在が兄にバレてしまった。
兄が見せてきた画面には私のアカウントのホームが映し出されている。
「い、いや。私、インスタなんてやってないから。」
私は嘘をついた。だがしかし、兄の勘は鋭いものだ。
「いやでも、この雲の写真。投稿された日時とほぼ同じ時間にこの角度から見たぞ。」
なぜだ!なぜ。そうか、このキノコのような形をした面白い雲は、誰にもバレないよう、自分の部屋のベランダから撮った。だがその時間。兄は確かレポートが終らないからと部屋にこもっていた。まさかその時間に…
「夢…お前なんだろ。」
「そう、だけど。」
ついにバレてしまった。私のSNSの存在を。
「でもさ、お前のフォロワー1万人だろ。一般人にしては結構いると思うが…俺も実はインスタやってて…」
「はぁぁぁぁぁ!!!」
「フォロワーは20万人です!!まあ高1からやり始めて、5年って所か。夢も俺に追い付けるように頑張れよ~」
とても兄が煽ってきて、どうせ変なの使ってフォロワーを稼いでいるんだろうと思ったが、その反対。綺麗な花や空。美味しそうな料理などがお洒落に撮られていた。
なんていう奴だ。兄め。
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