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その日から青を描くようになった。
空とか海とか、そういった繊細で美しい自然の表情を。あの瞳の青が忘れられなくて、忘れたくなくて。
教室の片隅で静かにペンを走らせる。
青い月の国に咲く青い薔薇。夢を失っていた少女の再生の物語を描こう、今度どこかに投稿してみよう。マンガを読むことは日常を煌めかせてくれた、色褪せた世界に虹をかけてくれた。泣いたり笑ったりすることが、こんなにも大事なことなんだと気づかせてくれたのもマンガだった。
楽しい。
教室の片隅が、はじめて居心地いいとさえ思えた。
マンガを投稿して入賞したら、あの人にお礼を言おう。
いつかきっと――――。
マンガ家になって、あの人に伝えるんだ。
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