黄金ハンガー

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ

黄金ハンガー

 そのハンガーは光に当たるとまるで黄金のようにキラキラと光る。  わたしはそのハンガーにお気に入りの服をかけている。勝負服だ。  勝負服を着るときはそう多くない。  三百六十五日のうちほとんどがハンガーにかかっている。  今日は大好きなあの人との初デート。  ハンガーから服を取り、それに着替える。  ハンガーをつっかえ棒に戻す際、きらりと光ったような気がした。  気のせいだろうがおかげで気合が入った。  それから幾日か経った。  あのキラキラと光るハンガーにかかる服は毎日着る服へと変わった。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!