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黄金ハンガー
そのハンガーは光に当たるとまるで黄金のようにキラキラと光る。
わたしはそのハンガーにお気に入りの服をかけている。勝負服だ。
勝負服を着るときはそう多くない。
三百六十五日のうちほとんどがハンガーにかかっている。
今日は大好きなあの人との初デート。
ハンガーから服を取り、それに着替える。
ハンガーをつっかえ棒に戻す際、きらりと光ったような気がした。
気のせいだろうがおかげで気合が入った。
それから幾日か経った。
あのキラキラと光るハンガーにかかる服は毎日着る服へと変わった。
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