5.校外学習

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売店に行くと、アスレチックワールドのロゴが入ったお菓子やタオル、キーホルダーが売っていた。 柚にはアスレチックワールドのマスコットがついたキーホルダー、樹には…… 「あ」 咲弥くんが棚の前で目を留めた。 視線の先には、侍戦士リュウノスケの剣のおもちゃが。 「侍戦士のだね。こういうところにも売ってるんだ」 「おもちゃ屋で売ってるのとはまた違うけど、これはこれでよくできてるな」 咲弥くんが剣を手に取って、軽く振った。 おもちゃ屋さんで売ってるような本格的なおもちゃは、音が鳴ったり光ったり、リュウノスケの声が出たりする。 もちろん高いからうちじゃ買えないけど、これはリュウノスケの剣を(かたど)っただけだからお小遣いで買える範囲だ。 「弟のお土産、これにする」 「え、これでいいのか?」 「うちの弟、侍戦士の剣欲しがってたから絶対喜ぶと思う。本物のリュウノスケくんが持ってくれたから、プレミア付きだしね」 「うわあ、マジか。嬉しい」 剣とキーホルダーを買って、私たちは売店を出た。 「今日はすっごい楽しかった。また遊び行こうな」 「う、うん。私も、楽しかった」 こんな風に遊んだのって久しぶり……ううん、初めてかもしれない。 一緒に遊んでお弁当食べて買い物して……そんなのみんなにとっては普通かもしれないけど、私にとってはすごく特別なこと。 しかも、咲弥くんと一緒だったから。 バスに乗ると、もう他の子たちはほとんど戻っていた。 咲弥くんと2人で戻って来た私に、心なしか注目が集まる。女の子たちは何か目配せしてるみたいだった。 これもしかして、私たちが付き合ってることバレちゃった!? マズいよね。だって咲弥くん芸能人なんだもん。スキャンダルになっちゃったら…… 「だいじょーぶっ!」 座席からひょいと顔を出したのは、隅谷くんだった。 「この学校で起きたことは外に漏らさないのがルール。結來ちゃんと咲弥のことは、誰もネットに書き込んだりしないって」 「ネットはともかく、そういうお前が1番心配なんだよ。俺らのこと、もう言い触らしてんじゃないだろうな?」 「まさか。俺が言い触らさなくったって、とっくにみんなのウワサになってるぜ」 ええええっ、そ、そうなの!?
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