5.校外学習

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私たちは敷地内の端からアスレチックに挑戦して行った。 網目状に張られた縄を登ったり、ターザンロープで滑ったり、池の上のタイヤを飛んだり…… そして今は、空中にロープで吊るされた丸太の上を渡って行く、グラグラ橋に挑戦中。 チラッと下を見てしまったら、ものすごい高さ……! 「あっ!」 グラッとバランスが崩れて、近くのロープにしがみつく。 「結來!」 先にゴールしていた咲弥くんが、板の上から身を乗り出した。 「下は見るな。俺だけ見てろ」 「……っ、うん!」 ゆっくり少しずつ進めば、咲弥くんとの距離が近づいてくる。あと少し、もうちょっと…… 「結來、あと少しだ。掴まれ!」 咲弥くんが私に向かって手を伸ばした。私は恐る恐る片手をロープから離して、少し腕を伸ばす。 その手を、咲弥くんが掴んでくれた。初めて咲弥くんの手に触れた。 「よしっ!」 咲弥くんに引っ張られるようにして、なんとか渡り切った。引っ張った拍子に咲弥くんが尻餅をついて、私も倒れ込む。 「ご、ごめん! 咲弥くん大丈夫?」 「俺は平気。頑張ったな、結來」 私の手を掴んでくれてた咲弥くんの手が、今度は私の頭を撫でる。 「恥ずかしいよ。ちっちゃい子じゃないんだから……」 「いいじゃん。誰も見てないんだから」 こんなの私が柚や樹にしてあげてることなのに。 でも、ちょっと……嬉しい、かも。 グ~……とお腹の虫の音が聞こえた。私じゃない。 ということは……? 「あ、はは……俺だ」 「もうお昼過ぎてるみたいだね。お弁当にしようか」 「よっしゃ! 結來の弁当楽しみで、朝飯抜いて来たんだ」 「えっ、じゃあお腹ペコペコだよね。早く言ってよ~」
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