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王はこの星の生き物から平和を取り戻す鍵がないか、探ることにした。そこで、サーナを町に忍び込ませたのである。
さそり座の者は本来はうす透明でスライム状になっており、体を自由自在に変形することができる。サーナは小さな子どもになりすました。するとある男に連れて行かれ、その男の子どもにされてしまった。
この星は退屈すぎるくらい平和だった。しかも忍び込む場所を間違えたようだ。サーナのまわりの生き物は、戦争どころか武器すら持っていなかった。サーナを子どもにした男も、いつもニコニコ笑っている。それだけである。
男にはサーナと同じように家族がいた。その家族にはたまたまサーナと同じ年頃らしい子どももいた。ちなみに、その子はとてもイケメンだった。(と、サナが思ってくれてたらいいな。)この子どもも何の邪悪なところもないので、いつしかサーナとその子どもはいい遊び仲間になっていった。
そのように何不自由なく過ごしてしまい、サーナは新星座軍に対抗できる術を何一つ手に入れることができないでいた。
しかも、サーナはこの星が気に入り始めていた。この新しい家族を失いたくないと、思い始めていた。
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