つもりつもって

1章

コピー機に書類をセットし、USBを差し込んだところで後ろから声をかけられる。

「あれ、圭太どうしたの？」

突然呼びかけられたことに思わず驚きの余り方を震わせて振り返る。

「なんだよ、そんなびっくりしなくてもいいだろ」

そこには少し笑ったような表情を浮かべる同期の真鍋が座っていた。

「いや、どうもこうも資料のデータがないからUSBに移し直そうかと思って」

やってしまったよ、というような表情を真鍋に向けつつ、視線をそのままコピー機に戻し、設定を確認する。

「ああ、もしかして資料のデータってこれか？」

真鍋の言葉に反応してもう一度振り返ると自身のノートパソコンの画面をこちらへ向けてくる。