1章

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「おいおい、アラサーのおっさんが同い年のおっさんに助けられて泣くんじゃねえよ」 こちらの顔を除いてからケタケタ笑いながら資料だけを置き、真鍋は再度自分のデスクへ戻っていく。 パソコンなどを片付けるような動作をした後、すぐに荷物を持って戻ってくる。 「ほら、帰るぞ。早くしろ」 真鍋に急かされて僕も急いで荷物をまとめて帰り支度を済ませる。 「悪い、待たせた」 僕がいうと、真鍋は「ん」とだけ返事をして2人でオフィスを出る。 既にオフィスをないには自分達以外誰もいなかったため、電気を全て消し、扉の鍵を閉めて出口へ向かう。 共用のビルなので最後に帰宅する際は一階の出口にある看守室に声をかける決まりになっているので顔を出しに行く。
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