1章

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結局その後課長が担当を変える旨を先方に電話したらしいが僕でなければ打ち切るとまで言われたらしくめちゃくちゃに怒っていたらしい。 きっと今日の終業前に渡された仕事はその腹いせだろう。 終わらせていないよりかは終わらせた状態で怒られる方がマシだと思い、次の書類作成へ移ろうと、手元にあった資料を見てみるとそこには既に完成された物があった。 「え?」 思わず声に出てしまった。 この企業に対する書類はまだ作っていないはず、と自分のパソコンのデータを見直す。 しかし、それらしきものはないしもしかして消したのかもと思ってゴミ箱を確認するも見つからなかった。 書類をよく見てみると、作成者が《小林圭太》と自分の名前になっていることに気づいた。 とりあえず内容に問題がなさそうなことを確認して書類の名前を課長のものに変えるべくデスクの引き出しからUSBメモリを取り出して書類のデータ化のためにコピー機へ向かう。
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