初めましてをもう一度

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初めましてをもう一度

 最初にアイツを『アイツ』だと認識したのは何時だったか。  『集団』の中で佇むアイツを「見つけた」のはオレだ。好奇心で手を出したがその時には手遅れだった。  先に逝くのは常にアイツだった。最初こそ護りたいと庇った形になったけれど、アイツを手にかけたことすらあった。  地位のある身分に居れば世継ぎだなんだと周りが煩い。それでも、その地位にいさいすればアイツを囲う事が出来たのだ。  何時でもアイツを追いかけていた。  いや、もしかしたら追いかけていたのはアイツの方かもしれない。  なぜならオレは何時でもアイツより長くその時代を生きていたから。  そうしてアイツの命を散らすのも俺だった。  三つ前の生の時、アイツが徴兵された時には両足を無くし病院から出られなかった。  二つ前の生の時、オレはアイツを見つけた瞬間に事故にあってしまった。  今までもそういう事は多々あった。アイツを一人にしてしまった時が。  多分寂しい思いをさせていたと思う。  でも一つ前の生の時には、ようやくアイツと一生を共にできた。安穏とした人生だった。  不可のない、全てが望んだままの人生だった。  もう、このまま二人で静かに眠りたいと願うアイツの為にもそうしてやりたかった。  ただ、オレは物足りなかったんだ。
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